雑文録

とりあえず書いたものを置いておく用

into the radius をクリアした(感想・攻略)

半分ゲームレポ、半分攻略情報の共有みたいな感じです。

 

感想要約:かなりストレスの強い楽しさ。よく分かんねえ終末世界のマップをジャンプもできない旋回もエイムも自分の視線方向と手のトラッキングに依存したVRで探索して、銃の安全装置を外そうとして高価なマガジンすっぽ抜けさせて無くしたり、小さい虫みたいなエネミーに咄嗟に狙いをつけられなくてゴリゴリHP減らされて死んだり、胸ポケットに任意装着したダウジングが反応したから手に持って探査してお宝を見つけたぞー!ってやってたら例の虫と人型エネミーの同時攻撃で殺されて、探索出発する前の拠点のセーブデータからやり直しになったり、回復アイテムもマガジンも高いし弾丸はトカレフ弾と9パラからソビエト7.62とNATO7.62まで全部違うから探索中に弾ケース拾っても対応したの持ってねえよ!ってサブアームで対応しようとしたら咄嗟の予備マガジン(腹部のマガジンポーチからインタラクトする)で違うの出しちゃったり、快適性はメチャクチャ低いんだけどそれが良い緊張感になってる古き良き時代のゲーム体験に似ている。

 

まずinto the radiusというゲームについてですが、手っ取り早い説明だとSTALKERのVR版ということになるらしいですが、自分はSTALKERを遊んだことが無いです。更にSTALKERの大元には『路傍のピクニック』というSF小説があり、ここでは外星系から飛来した隕石の墜落地点を周辺として『ゾーン』と呼ばれる極めて危険な異常気象エリアが広がり、主人公は『ストーカー』と呼ばれる探索者としてこの異常気象エリアから未知の物質を持ち帰り換金する探索者のようなことをしています。

この小説では『ゾーン』だけでなく、それによって『ゾーン』の外で起きている社会の変化や人類そのものへの影響と、それらを通して外星系からのコンタクトを解釈するような展開が物語の主軸となっていますが、少なくともinto the radiusにおいては『ゾーン』のみが舞台であり、プレイヤーは『ストーカー』と同じように異常な空間を探索して未知の物質(アーティファクト)を持ち帰ったりするのみの、探索生活の体験がメインコンテンツです。 

この危険な異常気象エリア(ゾーン)の探索生活というのがVRゲームという性質と中々マッチしていて、前提となる機器条件の高さ故に日本のプレイヤーが少なく攻略情報の類いがsteamレビューの1つを除いて存在しないこと、一人称視点がそのまま自分の視界として手探りで攻略していく暗中模索感が、前述の作品における『ストーカー』の世界観と相まって命の危機に瀕した緊張を追体験させてくれます。

プレイヤーへの脅威として大まかにエネミーとアノマリー(ダメージゾーン)があり、特に後者は視覚・聴覚・プローブ(物理的影響を調べるために放り投げる空薬莢入れの袋。路傍のピクニックではナットを使って重力場を探す描写がありましたが、今作は敵の存在から銃器を使う場面が多く、空薬莢を使用することに納得がしやすい)の三種を総動員して探さなければ気付けないものが多いです。

敵との夜間戦闘中に後ろに下がっていたら背後のウェブ(蜘蛛の巣。樹や障害物の間に黒い波模様のようなものが通っていて、入るとHPをゴッソリ持って行かれる。無音かつ無光で頭上を見なければ視認できないため序盤に一番やられやすい)に引っ掛かってあ゛あ゛あ゛あ゛(怒り)となるような、ある意味でストレスフルな体験を緊張感として楽しめる死にゲーに慣れたプレイヤー向けのゲームだと思います。

一方でセーブ機能は任意のタイミングで可能であり、予想もしない初見殺しに溢れているため探索マップ内でもセーブ(1つのキャラクター内で4つのセーブデータを保持できるため、探索前データを残しておけば詰みセーブの危険はない)を小まめにしておいた方がストレスは軽減できると思います。(前記のような初見殺しアノマリー、レベル帯に合っていないエネミーとの遭遇で1時間分の緊張しながら探索したデータが消えると結構メンタルにダメージが入ります)

死亡したら全てのアイテムをその場に落として拠点から再開する、やり込み勢向けの鉄人モードと呼ばれるものもありますが、アノマリーやエネミーの性質を熟知して最適な装備を取捨選択できる熟練プレイヤー向けのエンドコンテンツだと思います。 

 

このゲーム、上記の『ゾーン』探索生活がメインコンテンツとなりますが、それと同じくらいに作り込みが素晴らしいのが銃器の操作です。VR視点で、両手のトラッキングとグリップ(中指ボタン)トリガー(人差し指ボタン)とABXY(左右の親指で操作するボタン)の全てを使って銃を操作します。

無論これも操作の煩雑さに寄与していて、初期装備のマカロフ(拳銃)などXボタンで安全装置を解除してから持ち手と別の手でスライドを引いて装填しないと撃てず、敵を前にして慌てて操作するとYボタンのマガジン着脱ボタンを誤操作して、追ってきている敵の背後に残弾フルのマガジンが取り残される……といった体験は序盤の通過儀礼のようなものです。

一方で、この操作は銃器によって詳細に差別化されており、例えばグロック17はトリガー自体に安全装置が組み込まれているためABXYボタンを射撃前に触る必要がなくマガジン誤排出のリスクが無い、垂直二連ショットガンは弾込めさえすれば装填動作や安全装置の解除無しで撃てるなど、いわゆるFPS的なカタログスペック(威力や精度、重量やリコイル)ではない実銃としての扱いやすさが銃の選出に関わってくるゲームバランスが極めて秀逸です。

一般的なFPSではマガジン弾数の少なさや装填の遅さとしてマイナス要素にしかならない非カートリッジ型のマガジン(垂直二連やチューブマガジン等)も、カートリッジ自体への装填に一発ずつ弾を手動で込めなければならず、腹のマガジンポーチにサイドアームのマガジンと合計5つまでしか装備出来ない都合から予備武装としての重要性が上がっています。

銃は射撃や被弾によって耐久度が下がり、これはスプレーを吹きかけてブラシで錆びを落とし、トイレットペーパーを巻いた金属棒で銃口を掃除することで回復できます。またレールシステムを後付けで搭載してレーザーサイトやドットサイトを搭載したり、排莢&装填のレバーを無意味に(両手コントローラーとグリップボタンで)引いたりと、これまではサバゲーで体験するしかなかったようなガンマニア垂涎の銃仕草が堪能できます。

エイムも無論VRによる完全手動&一人称視点のため、そもそもアイアンサイトどころかドットサイトですら正確に照準する(ドットの表示されるサイト直線上に眼を持ってくる)ことが難しく、一方で慣れるとレールを増設して近距離は下部レーザーサイト、中距離は上部ドットサイト、遠距離は側面の四倍スコープとフルカスタムの銃に任意のスコープを覗きつつ全距離対応の射撃戦を展開することも可能になります。

 

攻略要約:https://steamcommunity.com/sharedfiles/filedetails/?id=3009542755 こちらが唯一の日本語にして極めて有用な攻略情報でした。正直、攻略情報なしだと相当ストイックなユーザーでもないと途中で心が折れるので多少は攻略を見ても良いと思います。その上で、こちらでカバーされていない情報を書きます。

 

序盤に陥りがちなトラップとして、銃は両手で持たないと精度がメチャクチャ落ちます。序盤で遭遇する初の銃持ちエネミーであるミミック警官(ハンドガン持ち。こちらに呼びかけるようなディストーションボイスが聞こえたら居ます)がこちらの銃に比べてやたら精度が高いように思えたら、ちゃんと両手持ちで撃ち返しましょう。まあ走り込んでレーザーサイトの片手持ち乱射で仕留めても割となんとかなりますが、中盤以降に出てくるショットガンやアサルトライフル持ちは下手に近付くと即死します。

メインクエスト(最優先ミッション)はペルボマイルート⇒ポロトキー村⇒ポベダ工場⇒コルホース・ザーリャと探索マップが進行していきますが、どのマップも一部エリアは次の探索マップと同程度の難易度があるので注意しましょう。(ペルボマイの左上はやや危険、特にポロトキー村の右上の建物の探索は、ポベダ工場のメインクエストをクリアできる程度の装備と経験が必要になります。逆にポベダ工場はメインクエストで訪れるエリアが一番危なく、他はポロトキー村と同程度の難易度です)

 

銃器はメインクエストの進行度(セキュリティレベル)に応じてショップでの取り扱い範囲が増えていき、結構この選出には悩むと思います。究極的には試射室(チュートリアルをやる場所のフリーモード)でカタログスペックに出ない部分まで含めて自分に合うものを見繕うのが最善ですが、序盤は拾った武器をやりくりするので十分とも言えます。最初のマップ(ペルボマイルート)で高確率でドロップするPPshショートモデル(SMG)とIZh-27(垂直二連ショットガン)だけで自分はポベダ工場のメインクエストをクリアしました。それまでにグロック17とGSH18(ともにハンドガン)を買いましたが結局ほとんど使わず売り払ってしまいました。

それよりも先に買うのはアーマーです。武器は買った直後にマップ探索でドロップしたり、所持武器と性能の上昇値が買う金に見合わないことも多いですが、アーマーは0(無装備)か15+40(装備)かの二択しかない上に生存率が大きく変わります。難関となるポベダ工場のメインミッション前までに暫定の装備を見繕うことになりますが、このミッションから銃器持ちとアーマー持ちの敵が多数襲い掛かってきます。それまでの接近するまで攻撃しない人型エネミーやミミック警官の豆鉄砲を相手するような装備で行くと、こちらの装備より高価な武装持ちアーマーミミックに囲まれて即死します。

このクエストを自分は防弾チョッキ+ヘルメットにPPshのAP弾(威力は下がるがアーマー貫通性が高い)のレーザーサイト付きを近距離用、ソードオフではないIZh-27にスラグ弾(ショットガンのスラグ弾狙撃がロマンなので使っていたのですが、性能をよく見るとアーマー貫通性がカンストしていました)のドットサイト搭載型を中距離用にして攻略しました。この構成の利点は、垂直二連ショットガンがマガジン枠を圧迫しないためマガジンポーチをPPshに全て使用できることです(今使っているマガジンを仕舞う用に、一枠は開けて四枠に装填済みマガジンを差していました)。IZh-27の給弾は二発撃って即サイドハンドルから二発装填、少しでも余裕がある時にバックパックを取り出しサイドハンドルに弾薬箱から直接弾丸を差し込んでいく運用になります。

手順としてはTide(四日おきの敵の再湧き+トレジャーボックスの再配置。探索中だとマップ内のランダムな地点に飛ばされるので注意)明けまで寝て待ってから、突入してマップ初期地点まで近付いてくる近接攻撃型のエネミーをまず始末、適宜ミミック銃持ちと遭遇戦を繰り返しながら(死角から近距離不意打ちされるとアーマー着ても即死するのでセーブは小まめに)、まずはリフト(短期的な敵の再湧きポイント)を破壊して近くのトレジャーボックスを回収後すぐに拠点まで戻り(この時点でスラグ弾のフルだった弾薬箱が0近くまで消費されていました)、再湧きが無くなってから着実にクエスト要件(クエストの目標地点は屋外からではなく屋内で隣の棟から渡り廊下を通って到達します、自分はこれが分からずに結構な時間を無駄にしました)を進めました。

 

ポベダ工場のメインクエストをクリアしてセキュリティランクを3に上げて、どこかでベルナッハ(大容量マガジンのマシンピストル)を拾えればPPshショートの役割をサブアームに引き継ぐことができ、その頃には解禁されたアサルトライフル系やSPAS12などを買えるだけのお金が貯まっているはずです。自分は↑の攻略でアサルトライフルが強いと書かれていたので(天邪鬼精神で)SPAS12のスラグ弾使用ドットサイト+レーザーサイト型をIZh-27の後継として近~中距離に使用、サプレッサー付きベルナッハで隠密・近距離を対応して、終盤からはM14バトルライフルを加えて中~遠距離に対処する形でメインクエストの最終まで駆け抜けました。

 

プレイの(精神的)負荷は高いですが決して退屈しないゲームで、どうやらinto the radius2の開発が行われているらしいので、発売されたら続編もやりたいと思います。